義足リハビリを効果的に。可能な限りリアルに近く実戦想定で進めよう。

義足リハビリはなんのためにやるかというと、義足を履いて歩けるようになり、日常生活に戻るため。

なので、リハビリ中も可能な限り現実に近いシチュエーションでやった方がいい。

自分がリハビリ中、ほとんど義足を脱がなかったのもそのためです。

慣れていないうちは長い時間履き続けているのは辛いのですが、それでも日常生活に戻れば長い時間履き続けることが必要なので、リハビリ中からそうしていました。

一方、病院やリハビリ施設などで、リハビリ中の方とお会いすることがあるのですが、現実の生活では「それはないだろう…」という状況でリハビリをしてしまっているケースを見かけます。

これは非常にもったいない。

現実の日常生活に戻るためにリハビリをしているのだから、リハビリの時から現実に近い形で訓練した方がいいです。

リハビリ中の方を見てきて、気をつけた方がよいポイントをいくつか挙げさせていただきます。

これらのことも注意しながら、現実の生活に戻った時に何が必要なのかを考え、必要なことを補う意識でリハビリに取り組んでみてください。

01. 義足の履き方

リハビリ中の股義足の方によく見られるのが、こんな風に義足を履いているパターン。

ズボンの上から義足を履いちゃってます。

正しくはパンツの上に義足を履いて、ズボンはその上から履きますね。

こんな風に。

調整を繰り返しながらだとなんども脱ぎ履きしないといけなかったり、股義足は履き直すのがめんどくさい気持ちはよくわかります。

でも、それでも、義足は正しい方法で履いてリハビリや調整をしていただきたいです。

これがよくないのには2つの理由があります。

1. フィッティングがずれる
調整中は、ソケットと体がフィットするように厳密に調整をします。そこで本来とは違う履き方で服の厚みが入ってしまうと、せっかくフィットするようにしたところからずれが生じ、調整が無駄になってしまいます。

2.ソケットの感覚がつかめない
股義足はほぼ素肌で断端とソケットが接し、断端でソケットの感覚を感じながら歩きます。そこに服の厚みが入ってしまうとソケットを感じる感覚が鈍ってしまい、歩く訓練の効果が薄れてしまいます。

これらの理由から、めんどくさくてもリハビリ中から義足は正しく履いた方がいいです。

義足を履いている時間

最初のうちは、義足を履いているのは負担です。

断端も慣れていないし、義足を操る筋力もまだついていません。

しかし、日常生活に戻れば人にもよるでしょうが、少なくとも数時間の単位で履き続けることが必要になってきます。

であれば、リハビリ中から長い時間義足を履き続けることにも慣れていっていった方がよいでしょう。

こちらに書いたように、私はリハビリ中から長い時間履き続けることをやっていました。

義足持久力ーどれだけ履いていられるか、どれだけ歩いていられるか。
義足生活まとめ→ 義足をどれぐらいの時間履いていますか? 義足でどれぐらいの距離(or時間)歩けますか? という質...

ただし、断端に傷ができた場合は別です。傷ができてしまった場合は痛いし、変な癖がついてしまったり、別のところを痛めたりしてしまうので無理しないでください。

歩く距離

こちらは生活スタイルによってまったく変わってきます。

移動は基本車でいけるような場合には、日常的にそれほど長い距離を歩くことは少ないでしょうし、一方仕事で歩きまわる必要がある場合は必要な距離は長くなるでしょう。

いずれにしても、リハビリ室で短い距離を歩くだけではたいていの場合は不十分でしょう。

私はリハビリ中、万歩計をつけてだいたい8,000歩ぐらい歩いていて、今ふだんの生活よりも歩いていたぐらいです。

外を歩く時間は限られていたので、トレッドミルも使って歩数を稼いでいました。

8,000歩で足りるかどうかも人それぞれですが、日常生活で必要となる歩く量を意識して、その歩数を目標としてリハビリに取り組んでいただければと思います。

可能な限り実戦に近く、効果的にリハビリを進めよう

いかがだったでしょうか。

リハビリの目的は義足で日常生活を送れるようになること。

そのためには、実際の生活を想定してできるだけ近い条件で、自分なりに必要な時間や量をこなす必要があり、それを目標とすることが効果的なリハビリに繋がってきます。

今回挙げさせていただいた「義足の履き方」「履いている時間」「歩く距離」に加えて、可能であればふだんの服装(服、靴)やふだんの持ちものを想定してリハビリ中に試しておいた方がよいです。

繰り返しになりますが、現実にできるだけ近い形で、実戦で必要になることを克服することに集中するのがリハビリを効果的に進める近道です。

ぜひリハビリの参考にしてください。

ぞれでは、また。