義足ユーザーとしての究極の目標
取材などで目標についてよく聞かれます。
仕事、陸上、家庭などそれぞれで目標はありますが、義足ユーザーとして最優先かつ究極の目標は。
何十年先も、いつまでも義足で歩き続けていることです。
いつもこの目標は頭にあり、そのためにいろいろなことを考えているし、これからも考え続けていかなければならないと考えています。
健康でなくてはならない
今は40歳前、まだ筋力も反射神経も残っています。
ただし、数十年後も自分が同じ状態でいるとは思えません。
それに、去年脱臼をした時には日常生活でもひどく不自由でした。
歩くのも何をするにも一苦労。
ただでさえ絶妙ともいえるバランスで義足を操っているだけに、病気や怪我などで体の状態が悪化すれば、その影響はより大きいものになります。
健常者の方でも、歳をとって足腰が弱ってくれば歩くことや生活が不自由になるケースはあります。
ましてや自分は義足。
それだけに、自分は人より健康でなくてはならない、という思いは強いです。
いつまでも歩いているために
何十年先も義足で歩いているために、意識していることはいくつもあります。
・筋力を保つために体を動かし続けること
・病気を予防し、健康を保つこと
・負担がかかる腰や健足のメンテナンスを欠かさないこと
身体のケア。
義足も体に応じて変えていく必要があるでしょう。
今は歩きやすさを追求するために、あえてかなり不安定な構成にしています。
歳を重ねて反射神経や筋力が落ちてくれば、それに合わせて安定度の高い構成にしていくでしょう。
何十年経った時には、義足の技術も今よりもっと進んでいるかもしれません。
その情報もキャッチアップして新しいことを取り入れていくこと。
自分の体と義足の両面から、歩き続けるためにその時々で対策を考え続けます。
それが自分の義足ユーザーにとっての究極の目標である「義足で歩き続けていること」に繋がります。
それでは、また。