大腿義足以上の場合直面する「義足でビジネスシューズ問題」。
前回オールソール交換という一つの解決策を提示させていただきました。
「義足でビジネスシューズ問題」ひとつの解決策。オールソール交換。
変わらずとても調子いいですのですが、今回は「オールソール交換」と並行で進めていたもう一つの解決策を紹介させていただきます。
ビスポークといわれる、完全オーダーメイド。
ビスポークとは”be spoken”(話し合う)という意味からきており、採寸、木型造り、デザイン、仕様なども全て話し合って製作する、純粋なオーダーメイドです。
時間も手間もお金も、既製品の靴とは段違いにかかります。
じつは作り始めたのは去年の夏。
完成まで半年ほどかかりました。
それでも、長年悩まされ続けてきた「義足でビジネスシューズ」問題を解決する最高の一足を求めていた自分にとって、ぜひとも試してみたいものでした。
今回お願いしたのはGuild銀座店さん。
「プロフェッショナル仕事の流儀」にも出演された靴職人、山口千尋さんのお店です。
東京銀座・浅草でビスポーク靴を販売・製作するギルドのホームページ
まずどんな靴にしたいか、よく話し合いました。
一番時間を使ってお伝えしたのは、かかとの高い靴では義足が膝折れしてしまって危ないこと、膝折れしない靴が欲しいということ。
義足の仕組みからなぜ膝折れが起こるかなど含め、よく会話してお伝えさせていただきました。
そして採寸。
ここまで細かくとるのか、というほど何十箇所もの採寸。
義足では石膏を使って型をとりますが、靴の場合は紙でとったり写真に残したり、見たこともない様々な方法で片脚ずつ緻密に足の形が計測されていきました。
そこから数ヶ月。
木型と仮縫いの靴ができあがって仮合わせ。
手前は採寸の時の細かなメモですね。
義足でも半透明のチェックソケットでフィッティングを確認することがあるのですが、靴でも仮縫いの状態の靴と、透明な型でフィッティングを確認していました。
そしてさらに待つこと数ヶ月。
ついに完成しました。
渋いダークブラウン。
思ったとおりの仕上がりです。
驚いたのは、見た目が通常のかかとがあるビジネスシューズとほとんど差がないこと。
オールソール交換ではぺたっとした形だったのですが、今回作ってもらった靴はかかとがあります。
しかし、実は緻密に計算されていて、靴のつま先とかかとの高さは見た目ほど高さの差はなく、ふだん愛用している靴底がフラットなスニーカーのコンバースオールスターでもあるであろう程度の高さの差だそうです。
歩いてみると。
確かに膝折れしません。ビジネスシューズで怖くない。
これは本当にうれしい。感動です。
また、靴底はすべりにくい素材で仕上げていただきました。
雨の時には助かりますね。
結論からいうと、大満足です。
最後の引き渡しの際に、Guild銀座店のみなさんと記念撮影していただきました。
山口さん、どことなく臼井さんに感じが似ているような…
その道に集中し、長年の経験を積んだ職人さんとはこういうオーラを醸し出すものなのでしょうか。
何ヶ月もかけてよく話し合って作りあげた靴。
ちゃんと手入れして大事に使えば一生ものです。
値段は既製品の靴とは比べものにならないぐらい高いです。
しかし、ずっと悩まされてきた問題を解決してくれる一生ものの靴。
自分としては納得しています。
「義足でビジネスシューズ問題」、もう一つの解決策として完全オーダーメイド、ビスポークも選択肢に入りました。
「オールソール交換」「ビスポーク」2つの解決策で、もう靴で悩まされることはなくなったといってもいいでしょう。
解決策、やっと見つけました。
どちらもそれなりにお金も手間もかかります。
しかし、もしお悩みなら、試してみる価値は十分にあると思います。
ちなみにビスポークの靴、フィット感が既製品とはまったく違います。
今はまだ新品なので、きついと感じるし1日で靴擦れしちゃいました。
馴染むまで絆創膏貼って予防することをおすすめします。
慣れるにつれて、さらに馴染んでよいものになっていってくれるでしょう。
それもまた、楽しみです。
最後に、山口さんが手がけられたビスポークの靴作りに関する本をご紹介します。
靴作りに関するこだわりがこれでもかと詰め込まれていて、靴の世界、ほんとに奥深い。
靴好きな方、手作りのものが好きな方には楽しめる内容になっております!
コメント
先ほど昔の靴の記事に投稿した者です。
やっぱりオーダーメイドですかね…。でも靴はQOLに直結なので、ちょっと高価でもビスポークさんの扉を叩いてみたいと思います。
引き続きコメントありがとうございます↑
ビスポークが一番融通がきくのは間違いないですし、いいものができましたー。
価格は段違いですが…
そして馴染むまでめちゃくちゃ靴擦れします!
まだ絆創膏が手放せませんw