シーズンがはじまり、各選手記録が出初めてきました。
今年は世界選手権、パラリンピックに次いでパラ陸上では大きな大会があります。
各選手が今世界のどの位置にいるのか気になるところですが、それはIPC(International Paralympic Committee:国際パラリンピック委員会)のサイトに公開されていて、誰でも簡単に調べることができます。
Para Athletics World Rankings (formerly IPC Athletics)
気になる選手のランキングや世界記録(たとえばT42男子100m)を知ることで、パラスポーツをより楽しむことができるようになりますので、みなさんもぜひIPCランキングを検索してみてください!
ランキングに載る条件
ランキングに載る条件は、IPC国際クラス分け(※)の判定を受けていること。
※IPC国際クラス分け
IPC(国際パラリンピック委員会)の基準で障害の程度の判定を受けること。
クラス分けを受けてはじめて公式記録としてランキングに載るようになる。
なのでクラス分けを受けることがパラ陸上の世界では重要なんです。
【参考記事】
また、ランキングにはおおよそ試合後数週間〜1,2ヶ月で反映されます。
ランキング検索の使い方
ランキング検索の使い方を説明します。
以下の条件で、見たいランキングを簡単に検索することができます。
ランキングの種類
WORLD RANKING:年ごとのランキング
WORLD RECORD:世界記録
PARALYMPIC RECORD:パラリンピック記録
種目
ATHLETICS:陸上競技
ALPINE SKIING:アルペンスキー
NORDIC SKIING:ノルディックスキー
POWER LIFTING:パワーリフティング
SHOOTING:射撃
SWIMMING:水泳
WHEERCHAIR DANCE SPORT:車椅子ダンス
検索条件詳細(世界ランキングの場合)
Ranking Type:世界ランキング、地域ごと、大会ごとのランキングなど
Ranking List:年
Specification:屋外or屋内
Gender:男女
Event Type:種目
Class:障害クラス
ランキング検索結果
ためしに、去年2016年のT42(大腿切断)男子走幅跳のランキングをみてみます。
リオパラリンピックで銀メダルを獲得した山本篤選手が6m62で3位です!
上位3名は紙一重で拮抗しており、かつ飛び抜けた記録をおさめています。
また、リオパラリンピックでの記録はほぼベストに近く、上位3名による激しいメダル争いは各選手が実力を出し切って戦った結果であるといえるでしょう。
また、男子100mのクラスごとの世界記録をみてみます。
こうしてクラスごとの記録をみてみると、障害クラスごとの差が一目でわかっておもしろい。
たとえば、T43(両下腿切断)の世界記録10’57は、T44(片大腿切断)の世界記録10’61を上回っています。
障害クラスの下一桁が小さい方が障害が重く、一般的にその分記録も遅くなるのですが、義足(T42〜44)の場合逆転現象が起きており、片脚義足より両脚義足の方が速いという結果は非常に興味深いですね。
IPCランキングを知るとパラ陸上が楽しくなる
いかがだったでしょうか。
IPCランキングを調べてみると、今選手が世界のどの位置にいるかがわかるだけでなく、世界記録をみることで下腿義足より両脚義足が速いなど興味深いことや、また障害の重さによってどれぐらいの記録を残しているのかなど、いろいろなことがわかってきます。
ちなみに、股義足の私はT42(大腿切断)クラスに分類され、他の選手に比べて圧倒的に障害が重いこともあり、T42クラスの最下位。
2013 100m 30位、200m 24位
2014 100m 33位、200m 24位
2015 100m 40位
2016 100m 48位
関係者の人は「なんか遅いやつがいる」と思っているのか、「あいつ何か違う」と気付いているのかは謎です。
とまあ、いろいろな見方ができるIPCランキングですが、知っているとよりパラ陸上を楽しむことができるので、ぜひ調べてみてください。
それでは、また。