転院してから間もなく、義足の型取りをした。
担当して頂く義肢装具士さんに会った時、どこかで見たような気がした。
名刺をもらい、その理由がはっきりした。
股義足で走っていた方のホームページ「股義足スプリンターの軌跡」で、その方をサポートされていた橋本寛さん、その人だった。
本当に運がいい、と思った。
型取りから2週間程で義足を受け取り、歩行訓練を開始。
義肢装具士さんは週に1度病院に来ており、その際に義足の調整をしていくとのことだった。
使う部品のうち膝継手と足部はカタログから選べたが、義足の知識がなく何を選んでいいかまったくわからなかった。
義足の部品は高価で膝継手も足部もいいものは数十万円。
仮義足は自己負担3割でかなりの金額になる。
それでも、初めての義足の訓練でどこまでのレベルに持っていけるかで、退院後の生活に大きく影響すると思っていたので、歩きやすさが最優先だと思った。
装具士さんには「値段より、とにかく歩きやすい構成で」とお願いした。
そして型取りをしてから2週間、義足ができあがってきた。
初めて見た義足を見た印象。
股義足は腰に巻き付けて履く形。
形は知ってはいたが、実物は思っていたより大きかった。
今まで履いてたズボン履けなくなるな、と思った。
小さくして欲しいと思ったが、義足を調整に出すと、また一週間歩行訓練ができなくなる。
早く復帰したいと思っていたので、訓練を止めることは避けたかった。
とにかく今は歩行訓練が優先だと思い、そのまま進めることにした。
そして履いてみると。
股義足の歩き方の情報を集めていてイメージはしていたが、実際に履いてみるとやはりどう歩いていいのか、わからなかった。
平行棒の中で歩く動作をしてみると初めてにしてはうまいと言われたが、平行棒の中でしっかり掴まっていないと、全く歩くことはできなかった。
脚を着く位置を少しでも間違えると、膝からがくっと力が抜けたようになる膝折れを起こして転倒しそうになった。
また、坐骨に体重が集中するため、圧迫されて痛くて仕方なかった。
さらにソケットに接する部分の皮膚が擦れて、義足に慣れていない弱い皮膚はすぐに傷ができてしまった。
初めて履いた義足は思った以上に難しかった。
今になって思えば、義足はよくできていたと思うし、初めてであれほど動けたのは上出来だったと思う。
しかし当時はそんなことはわからず、痛いし、実用的に歩ける気がせずショックだった。
日付は3月になっていた。
当初目標にしていた4月復帰は難しいことがわかってきた。
しかし、今自分にできることは地道に歩行訓練を続けること。
慣れない義足に悪戦苦闘しながら、装具士さんとPTさんを信じて「絶対歩けるようになる。歩く。」と毎日歩行訓練を続けた。
(続く)
切断〜復帰経過:まとめ
←その8:リハビリ病院 その10:義足リハビリ→
コメント
ソケットは小さすぎても、大きすぎてもダメだし、フィット感が出るまではかなり試行錯誤の時間を要しますね。ソケットがしっくりくるかどうかが義足の最重要課題と言ってもよいくらいだと思います。僕の場合、車いすに座っている時間が長くなってしまったせい?で、急にお腹が出てしまったので、余計大変です。
EXILE ATSUSHIのこの腹筋↓を目指しているのですが(^_^;
http://youtu.be/lMZgFVC79ek
ソケットの調整はほんとに試行錯誤ですね〜
自分も今回かなり試行錯誤してます。
最初は断端の変化も激しいのでなおさら難しいでしょうね…
断端痩せるのは仕方ないですが、お腹出るのは頑張って抑えてくださーいw
まあとにかく頑張ります って言っても、お腹引っ込めるのって腹筋やるぐらいしかないですよねえ・・・
あとはロングブレスとか?(^_^;
炭水化物を控えればいいのかなあ
野田さんなんかアスリート!って体型してますけど、なにか気をつけてることはありますか?
そういうところは目指してなかったんですが…
義足になる前から、太りにくい体作るために筋トレはしてましたね。
あと、夜は基本的に炭水化物食べないようにしてます〜