特に大腿義足、股義足の男性が直面する「義足でビジネスシューズ問題」。
自分も長年悩まされ続けてきました。
かかとが高く硬いビジネスシューズでは膝折れしまくって、歩きのパフォーマンスが大幅に悪化します。
自分の中で史上最強に歩きやすい、コンバースオールスターから比べると体感で30-40%ぐらいのパフォーマンスです。(参考:靴の話。)
きっと大腿義足以上の男性はみなさん悩まれているんじゃないでしょうか。
そこで、本気でこの問題の解決に挑んでみました。
アプローチとしては、以下の3つ。
1. 市販のビジネスシューズで歩きやすいものを探す
2. 市販のビジネスシューズをお直し
3. オーダーメイド
まず「1. 市販のビジネスシューズで歩きやすいもの」はこれまで散々探してきて、自分が求めるもので市販のものはないという結論に達しています。
そこで今回検証したのは「2. 市販のビジネスシューズをお直し」。
普通に売っているビジネスシューズのお直しでどこまでいけるかを検証してきました。
お願いしたのはセレクトシューズショップ、Trading Postさん。
(東京のほか、名古屋、大阪、京都、福岡にも店舗展開されています)
こちらでお直しお願いしました。
お直し前がこちら。
ごく普通のビジネスシューズです。
一般的なビジネスシューズですが、このかかとの高さは間違いなく一歩ごとに漏れなく膝折れしますね。
一歩一歩が恐怖なレベルです。
自分が歩きやすい靴の最大のポイントとは、こちら(https://gohdp.net/shoes/)でもお話ししたとおり靴底がフラットであること。
そこで、どうしてもかかとが高いビジネスシューズの靴底を可能な限りフラットにする、ということでお願いしました。
そんなオーダー、はじめてだったと思いますが…
やってもらいました。
方法はオールソール交換、つまり靴底全貼り替え。
かかとの高さをできる限りなくしてフラットな靴底、滑りにくい素材で。
義足は左脚だけですが、両脚で靴の見た目が違うのも変なので、健側も同じように全貼り替えしてもらいました。
また、義足側は地面を蹴る力が弱いので、靴底を厚くすると硬すぎてスムーズに地面を蹴れないかもしれないということ。
そして靴底の減りも義足側は少ないことがわかったので、左右で靴底の厚さを変えてもらうことにしました。
そんな感じで、プロの知識と経験を持ったスタッフの方と相談しながら、仕様を詰めていきました。
【2017/02/19追記】
オールソール交換できるかどうかは職人さんの判断によります。
グッドイヤー・ウェルト製法の靴が強度を落とさずにオールソール交換しやすい、とのことですが必ずできるとは言い切れず、最終的には職人さんの判断によるためご注意ください。
この記事の中でお願いした靴はグッドイヤー・ウェルト製法の靴でした。
数週間後、できあがったのがこちら。
上から見るとまったく普通のビジネスシューズ。
靴底はこんな感じ。
滑りにくい素材にしてもらっています。
義足側。このフラットさ。
いかにかかと部分が薄いかがお分かりいただけますでしょうか。
健側も同じように仕上げてもらっていますが、義足側に比べてかかと部分がぶ厚いです。
健側は蹴る力もあるし、かかとが減りやすいため左右で差をつけることにしました。
靴底の厚さの違いで脚長差が出てしまいますが、義足側が短いぶんにはそれほど問題とは感じません。
市販のビジネスシューズのお直しで対応できることはやりきった感じです。
歩いてみた感じは。
ビジネスシューズではこれまで経験したことのない歩きやすさ!
お直しなしとは段違いです。
膝折れしないし、革靴ではやむを得ない硬さも義足側の靴底を薄くしていることでかなり軽減されています。
義足でビジネスシューズ問題、ひとつの解決策といっていいレベルだと思います。
両側オールソール交換には数週間、費用は1万数千円かかりますが、十分それに見合う効果です。
もはや自分にとってビジネスシューズ問題は悩みではなくなりました。
どんな店でもここまでのお直しに対応できるとは限りませんが、義足でビジネスシューズ問題に悩まれているのであれば、手間と費用をかけてでも試してみる価値はありますよ!
よくよくスタッフの方とご相談してみてくださいね。