2/9発売、小野美由紀さんの小説「メゾン刻の湯」。
さまざまな事情を抱えた登場人物たちの銭湯シェアハウスでの共同生活。
下腿義足のキャラクター「龍くん」が登場します。
”正しく”なくても
”ふつう”じゃなくても
懸命に僕らは生きていく。
銭湯×シェアハウスを舞台に描く、希望の青春群像劇!どうしても就職活動をする気になれず、内定のないまま卒業式を迎えたマヒコ。
住むところも危うくなりかけたところを、東京の下町にある築100年の銭湯「刻(とき)の湯」に住もうと幼馴染の蝶子に誘われる。
そこにはマヒコに負けず劣らず”正しい社会”からはみ出した、くせものばかりがいて――。人気企業の内定を蹴り、気ままな愛人生活を送るマレーシアと日本のハーフ・蝶子
奇抜なファッションに身を包み、誰にも言えない秘密を持つプログラマのゴスピ
事故で片足を失ったハンサムでいつも明るい美容師の龍くん
ネットベンチャーに務める、SNSが大好きなガツガツ上昇志向のまっつん
刻の湯の持ち主である老人・戸塚さんと、両親と離れて暮らすことになった小学生の孫・リョータ
そして刻の湯を実質経営し、いつも中心にいながらも全てが謎に包まれた青年アキラさん「生きていてもいいのだろうか」
「この社会に自分の居場所があるのか」
そんな寄る辺なさを抱きながらも、真摯に生きる人々を描く
確かな希望に満ちた傑作青春小説!amazon商品説明より
1年半ほど前、義足のキャラクターを描くため義足の男性に取材したいという小野さんのFacebook投稿を目にし、お話ししました。
そして先日、できあがった原稿を読ませていただきました。
どのように描かれているのか途中経過は聞いておらず楽しみな反面、「自分が思うような描かれ方と違ったらどうしよう」という不安もありました。
しかし、そんな不安はまったくの思い過ごしでした。
まさに「こんな風に描いて欲しかった」と思える自然さ。
正直、龍くんが義足であることに必然性はなく、義足じゃなくても物語は成立します。
障害を持っていることが考え方や言動に影響を与えている面はあるのですが、ぶっちゃけただのイケメンです。
少なくとも自分が知る限り、日本の映画やドラマ、小説では、障害を持っている人物が登場する場合、それがストーリーの前提になる必然性が求められ、理由もなく障害者が登場することはありません。
それって逆に不自然だな、と常々思っていました。
なんの理由もなく障害者って社会の中で生活しているわけで、割合的には必然性がなくとも1人ぐらい登場する方が自然じゃないでしょうか。
海外ドラマなどでは、必然性はなくとも障害を持った人物が登場したりします。
Gleeのアーティ(車椅子)、Covert Affairsのオーギー(全盲)、Breaking Badのジュニア(脳性麻痺)など。
こんな風にさらっと描かれるのがいいなと思っていたように描かれていました。
「メゾン刻の湯」では義足の龍くんに限らずそれぞれの事情を抱えた登場人物が、そのバックグラウンドとしてではなく一人の人間として懸命に生きている姿が描かれているように感じました。
義足については私が監修ということになるそうで、龍くんの登場シーンはすべて目をとおし、小野さんと議論もさせていただきました。
龍くんの考え方やセリフは、自分自身に当てはめてみても「こういうこと言いそう」というものです。
もし描き方に違和感があれば、野田のせいだと思ってください。
様々な事情を抱えた登場人物がシェアハウスという舞台でゆるやかにつながり、迷いながらも前向きに、支え合いながら生きていく。
そんな今の時代にマッチした小説です。
2/9発売、現在amazonで予約受付中。
ぜひ予約お願いします。
自分も完成・発売を楽しみにしています。
それでは、また。
コメント
こんにちは~バイクで事故った桑原です~
やっとやっと義足作れます!(>ω<)どうやら大腿の残っている部分の関係で僕も股義足になるようです。
採形する条件は松葉杖で30分立てるようになったらできたら連絡下さいと装具師さんに言われたので猛特訓中です!
股義足はコケて倒れたりしたら杖なしでも立てるんですか?あとスマホや財布を落とした場合どういうふうに取っていますか?また落とさないようにする工夫などはありますか?
返信遅くなってしまってすみません!
前進されてますねー。よかったです↑
コケても杖なしで立てますよ。
地面のものを拾う時は、立位体前屈みたいな体勢で拾いますね。
もうちょい自然な動きでやろうと思えばできるかもしれないですけど、めんどくさいので。
落とさない工夫は義足だからといって特別なことはないかと。。。