日本パラ陸上選手権2日目、100m予選・決勝。風にはじまり風に終わった本大会。

日本パラ陸上競技選手権大会2日目。

今日の出場種目は100m。

日本国内の大会ではじめて予選・決勝の2レースで行われることになりました。

今年はT42(膝上切断クラス)の選手が増えていて、今回の大会では2名が公式戦初参加となり、参加者が8名を超えました。

膝下切断(T44)や両下腿クラス(T43)と一緒にレースをすることが多かった数年前から比べると、信じられないですね。

競技人口が増えて裾野が広がり、競い合いが生まれて競技レベルの向上に繋がるのは素晴らしいことだと思います。

私が陸上をはじめるずっと前から、日本国内ではT42膝上切断クラスは北京パラリンピック、リオパラリンピック走幅跳銀メダリストの山本篤選手が頭いくつも飛び抜けている状態が続いていますが、ゆくゆくは山本選手に迫る選手が出てくることに期待したいところです。

今大会初参加の吉田選手はまだ高校生。

体格に恵まれているだけでなく断端も長く好条件。

今後おおいに期待できる選手でこれからの成長が楽しみです。

また、今大会はじめて自分以外の股義足、増田選手も参加しました。

去年あたりから走りはじめていたことは知っていましたが、今回はじめての公式戦参加です。

しかし、予選参加9名中8名決勝進出、ということは予選で終了なのは1名。

実質股義足同士で決勝の椅子をかけて争うようなもの。

数年間やってきた自分としては、まだ負けられません。

実質的に人と争うのはほぼ今回がはじめてで、いつもとは違う緊張感をもって試合に臨むことになりました。

予選ーまずまずの結果。シーズン・ベスト

【結果】
24’34 (+0.5)

午前早い時間で昨日の強い向かい風からは一転、若干の追い風。

感触は悪くはなかった。

まだ試合あまり出ていませんがシーズン・ベストです。

ストライドを伸ばすために地面をたたく意識をもっと強く持っていけたらよかったのではないか、というところが反省点。

この結果で増田選手の記録は上回り、決勝進出となりました。

増田選手の記録は27’73で、私が試合に出場しはじめた頃の記録とほぼ同じ。

股義足走りはじめたぐらいでは、およそこれぐらいの記録が目安となってくるのでしょうかね。

サンプル数2ですが…

決勝ーまたしても風にはじき返される

【結果】
25’72 (-2.9)

午後になって風向きが一転、昨日と同じ程度の強い向かい風です!

レース前から向かい風は感じていて嫌な予感はしていましたが、向かい風の中でスタートを迎えました。

やはり、進まない。

昨日の200mと同様、風にはじき返されました。

もはやなすすべがなかった感じです。

風まかせ、それも陸上。

予選からおよそ3.5mの風の違いで、約1.4秒のタイム差。

こちらでも書いたとおり、股義足は自分で義足を降り出すことができないので、義足は振り子運動のみ。誰よりも風の影響を受けます。

2017シーズンインまであと半月!瀕死の200m練習。
シーズンインまであと半月。瀕死の200m練習。 自分の2017公式戦シーズンインとなる大分パラ陸上まで、あと半月になりました。 自分...

走るときも基本は振り子運動だけなため、

向かい風ではまったく進みません。

いくら調子が良かったとしても、強い向かい風に吹かれるといい記録は出せません。

なかなか難しいものですね。

折しもこの週末、多田修平選手が追い風4.5mで日本国内初となる100m9秒台(追い風参考記録)の9’94をマークしました。

こうして向かい風で記録が出なかったり、追い風で好記録が出たり、いい記録が追い風参考記録になってしまったり、これも陸上ですね。

多田修平の追い風参考9秒94生んだパウエル直伝スタート…3強と世界陸上かけ直接対決

風にはじまり風に終わった日本選手権。それもまた陸上。

100m予選以外は-3m前後の強い向かい風で、満足いくような記録を出すことは難しいコンディション。

本大会は風にはじまり風に終わりました。

しかし、それも陸上ですね。

またコンディションが良い大会が巡ってきた時にいい走り、いい記録を残せるように準備を進めていきます。

ここ数年、陸上用義足はソケット交換のみで、膝継手や板バネの変更はしてきませんでした。

しかし、今新しい部品が次々と発表されています。

より速く走るために、それらの選択肢も含めて考えて試していこうかと。

それでは、また。