幻肢痛と幻肢。自分なりに見つけたとらえ方と対策をお伝えしたい。

切断者が多くの場合経験する、幻肢。
幻肢とは、切断した部位が存在するように感じることで、そこに痛みを感じることを幻肢痛と言います。

個人差が大きいのですが、自分の場合は根元からない左脚のつま先まで幻肢の感覚があり、時折ズキっと鋭い幻肢痛を感じます(主に足先あたり)。

切断して間もない頃は悩まれている方が多く、よく相談もお受けします。
自分は、幻肢痛、幻肢をこんな風に考えています。

■幻肢痛
切断当初はかなりの頻度で幻肢痛に襲われていましたが、次第に幻肢痛は感じる頻度は少なくなっています。
長い時間義足を履いていて圧迫されている時間が長いと、痛みとまではいかなくても脚が痺れているように感じるのは今でもですが

最初は幻肢痛に慣れず、また痛み止めも効かないため悩まされましたが「どこかが悪くて痛いわけじゃない」と頭で理解して自分に言い聞かせるとともに、気にしてしまうと余計に痛みを感じてしまうので、別のことに意識を向けてできるだけ気にしないようにして対処していました。

今では気になる程ではなくなってきましたし、他の人のケースを聞いてみても痛みは完全になくならないにしても同じように軽くなってきているということがほとんどなようです。

義足の患者を多く見られているPTさんはこうも言っていました。
「義足をつけてリハビリ、日常生活されている方で、ひどい幻肢痛に悩まされているケースは少ない。義足をつけていることがセラピーになっているのではないか」とのことでした。

 

慣れておらず、痛みを感じることが多い時は難しいことですが、短期的には「気にしないこと」「別のことに意識を向ける」が対処法だと思います。
動いていたり、誰かと会話していたりすると痛みを感じていなかったりするものです。

そして長期的には義足を履いてリハビリ、日常生活を送ることが対処法と思います。

 


■幻肢
義足をコントロールする上で、幻肢は役立っているのではないか、とプラスに考えています。
足先までの感覚が幻肢としてあるので、その幻肢と義足を重ね合わせて義足を感覚の通った自分の脚としてイメージしています。

義足に神経を通す、と自分は表現しています。
義足が今どこにあって、どこに加重がかかっているのか。断端から伝わる感覚を幻肢と重ね合わせることで自分の脚を動かしているイメージです。
実際、そのイメージがうまく重なった時、自分の脚で歩いているように感じることができていますし、そういう時はうまく歩けていると思います。

ちなみに、幻肢は足先から時間が経つにつれて徐々に上に上がっていくとも言われているのですが、自分の場合はそういうことはなく、今でも足先まで感じています。


幻肢痛、幻肢とも感覚なのでイメージしづらく、また個人差も大きいのであくまでも自分の感じ方ですが。
一つの考え方として参考にして頂ければと思います。

コメント

  1. MC より:

    幻肢痛はなくならないものと思っています。自分の場合は頸骨(あればの話ですが)の辺りに感じることが多いです。強弱もあります。野田さんが前に書いてくれた「病気で痛いわけじゃないので気にしないようにしている」という言葉が目ウロコで効いています。自分もそう思うようにしています。メンタルとも関係があると言う方がいますね。ストレス下に置かれると幻肢痛が出てくる、と。

  2. 野田 隼平 より:

    そうですねー。
    確かに、気分によっても感じ方違いますね。
    気にし過ぎることなく、気長に付き合っていって頂ければと思います。

    多く切断患者見られている医師の方の話でも、私と同じような経過をたどるケースが多いとのことでしたので、やはり時間が経つにつれて軽くなってはくるようです。

  3. 佐々木 より:

    幻肢痛がここまで酷いとは思いませんでした。幻肢痛に効く薬を二種類飲んでいますが、波が酷い時には全く効かず、痛みが激しくて眠剤を飲んでも眠れません。
    僕の場合はひざの裏、ふくらはぎ、足首、足の裏と広範囲に幻肢痛が来て、酷い時には硬直や麻痺もあります。
    壊死した皮膚を削り取り、その部分の肉芽を盛り上げるために陰圧療法をやっていますが、吸われると幻肢痛がより痛くなります。
    切断したことのない医師や看護師の方々は「気がするだけ」と素っ気ない対応ですが、かなりしんどいですね。
    早くなくなって欲しいところですが、まだ医学的に未解明なので、時間の解決しかないので困りますね。

    • 野田 隼平 より:

      慣れないうちはしんどいですよね。
      自分の場合も最初は頻繁にあって眠れない時もありましたが、今は気になることはほとんどないぐらいです。
      個人差はありますが、義足歴長い人でひどい幻肢痛に悩んでいる人はほとんどいないように思います。

      次第に軽くはなっていくものですしどこか悪いわけではないので、最初のうちは難しいですが、気にしないことが一番の対処法だと思います。