なつかしい写真を見つけました。
7年半前の入院リハビリ中、まだ調整もほとんど入ってないごく初期の仮着足。
この頃はまだ全然歩けなくて、平行棒の中を1日ひたすら歩き続ける日々。
仮義足を作った時には義足の知識もまったくなく、「とにかく歩きやすい構成で」と装具士さんにまかせっきりでした。
結果、かなりいい部品を使ったハイスペックな仮義足になりました。
今使ってる部品よりも価格的には高価かもしれません。
【構成】
・股継手:1HP101(Ortho Europe)※
・ターンテーブル:4R57(Ottobock)
・膝継手:トータルニー(Ossur)
・足部:バリフレックス(Ossur)
※現在は補助の対象から外れています
初心者ということもあって安定度の高い構成になっています。
当時はこれがちょうどよく、義足に対する不安感を取り除いてくれました。
この仮義足はとてもよくできていて、日常用として履いた期間は1年以上。
そして奇跡的なことにこの仮義足、膝継手から下を替えるだけで走れました。
ポイントは股継手。
勢いがついても一定以上歩幅が広がらない歩幅制限がついている股継手だったんです。
もちろん走るための機能ではありません。
こんな奇跡的な偶然がなかったら、走ろうとは思えなかったです。
走り始めたころ。
陸上用義足に生まれ変わった仮義足を履いています。
陸上用と日常用で履いていた期間も合わせると、仮義足は3年以上履いていました。
脚を失った自分に歩くこと、走ることを取り戻させてくれた、思い出深い義足です。
前置きが長くなりましたが、私が考えるに仮義足は「義足生活のベースを形作る」「本義足以降、部品の選択の幅が広がる」の2点からとても大事です。
それぞれ、理由を説明します。
■義足生活のベースを形作る
はじめて義足リハビリをする仮義足は、歩くことを取り戻すために重要なだけではなく、義足での生活における自分のイメージを形作ってくれるもの。
仮義足を履いている期間でどこまでレベルを向上できるかによって、後の生活のベースが大きく変わるといっても過言ではありません。
仮義足は健康保険の仕組みを使うため3割負担となります。
義足は高価なため負担は小さくありません。
そのため、最初は「高価な部品を使いこなせないから」という理由で安価な部品を選択されるケースもあるようです。
もちろん「高価な部品=よい部品」というわけではありません。
「いい部品」とは?
しかし、わたしは多少負担が大きくなってでも歩きやすさを重視した「よい部品」を選択して仮義足を作り、リハビリで可能なかぎり義足生活のレベルを向上させた方がのちのちプラスになると考えています。
■本義足以降、部品の選択の幅が広がる
仮義足といっても本質的には本義足と違いはありません。
私が一年以上履いていたように、合わなくならなければ比較的長く履くことになりますし、本義足を作る際に膝継手や足部などの部品が耐用年数に達していなければ、ソケットだけ作り替えで部品はそのまま流用が基本となります。
本義足を作るときに部品を替えたいと思っても、部品の変更にはそれなりの理由を説明し、判定で認められなくてはなりません。
その際、今使っている部品より高価な部品に帰る場合には、判定の目も厳しくなります。
私は本義足で膝継手と股継手を変更しました。
いずれの部品も仮義足の部品よりも安価だったため比較的認められやすく、無事希望どおりに判定で認めてもらうことができました。
以上2点から、仮義足の選択は大事で、多少負担がかかっても出し惜しみをしない方がよいと考えています。
選択の際には装具士さんや理学療法士さんと相談して決めていくことになりますが、ご参考になさってください。
コメント
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