やること、やらないことを決めるって大事。

脚を失った時、いくつものものができなくなることは受け容れていました。

と同時に、「物理的に不可能なものはあきらめない」と決めました。

それから9年が経ちました。

脚を切断して直後に一度失ったものの、今では多くのものを取り戻しました。

一方で、取り戻せていないけれど、やってみたいと思うものもあります。

しかし、あれもこれもと手を出すには時間は限られています。

やりたいこと、できることを考えた上で、やること、やらないことを決めること。

それが限られた時間を有効活用し、生活を充実したものにする上で大事だと自分は考えています。

取り戻したもの

歩くこと

まず最も優先順位が高かったのは「歩くこと」。

これは入院リハビリ中に最低限満たさなければならないゴールと考えていました。

逆に言えば、入院リハビリでそれ以上は求めていませんでした。

その思いを胸に入院中リハビリに励み、事故から半年後、自信が持てるレベルの歩きを取り戻し、退院。

職場復帰を果たしました。

必要最低限の「歩くこと」を取り戻してからは、「失ったものを取り戻したい」という思いが出てきました。

そこから、「取り戻したい」と思ったことに挑戦するようになりました。

スキューバダイビング

次に挑戦したことはスキューバダイビング。

脚があるころには夏にはよく友達と潜りに行っていて、アドバンスのライセンスも持っていたのであまり心配はしていませんでした。

やってみたところ。
エントリーするまでは重い機材を運んだり移動に手を借りなければなりませんが、潜ってみるとバランスが取りづらい程度で大きな問題はなくできてしまいました。

出張でセブに行っていたころには、週末潜って、ジンベエザメとも一緒に泳いできました。

走ること

正直いって、当初あまり走ることには興味がありませんでした。

しかし、臼井さんにヘルスエンジェルスの練習に誘われて「走ってみなよ」と軽く言われ、言われるがまま日常用義足で走ってみた時。

数歩で転んでしまったものの、直感的に「走れる」と感じました。

走ることも取り戻すことができると確信し、ヘルスエンジェルスや義足仲間数人での練習を積み重ねた結果、走れるようになったのです。

ただ、私にとって走ることは他人との競争ではなく自分との戦い。

終わりがありません。

今ではIPCにも登録して、世界ランキングにも記録が残るようになり、今では「陸上競技が好き」と言えるようになりました。

これからも自己ベストを更新することを目標に、走ることはずっと続けていきます。

「まだ」取り戻していないもの

一方、1つだけ「やりたい」と思っていながら取り戻せていないことがあります。

それはスノーボード。

スノーボード

脚を切断する前、冬はよくスノボに出かけていました。

出張で大連に行っていたころ、週末に大連のスキー場に行ったりもしてました。

ちなみに全部レンタル。意外と中国のスキー場は普通でした。

脚を失くした今も、できることならやりたい。

大腿義足であれば、スノボをやっている人がいます。

リオパラリンピックメダリスト山本篤選手です!

リオ銀の山本篤がスノボ大会に初参戦! 第3回全国障がい者スノーボード選手権大会

以前から趣味でやっているとは聞いていましたが、今年から競技として挑戦を始め、いきなり大会で優勝。

世界トップクラスの運動能力と義足を扱う技術を持った大腿義足ユーザーの山本選手だからこそできるのかも知れませんが…

股義足でスノボやってる人は聞いたことがなく、どうすればできるかも想像がつきません。

股継手、膝継手に工夫が必要でしょうし、義足側を自分の意思でほとんどコントロールできない自分にできるかはわかりません。

片足スキーならやればできることはわかっていますが、義足を履いて2本脚でスノボがしたいんです。

スノボは「まだ」できていないことで、試していないうちから不可能と割り切るには早すぎ、まだ考える余地はあります。

どうすればできるか可能性を考え、挑戦するかどうか判断します。

やること、やらないことを決める

脚を失っても取り戻せたものと、「まだ」取り戻せていないものがあります。

とはいえ、日常生活で必要なことは取り戻せました。

悩んでいるわけでもなく、贅沢なのかも知れませんね。

物理的に不可能なことは求めません。

例えば、小さいころから野球をやってきましたが、複雑な動きは難しく楽しめないため、やらないと決めました。

それにこだわるぐらいなら、他にできることを探します。

スポーツにこだわる必要もなく、体を動かさないことでもできることはいくらでもあるわけなので。

私は脚を失くしてからの9年間、やりたいことと、できることできないことの可能性と折り合いをつけながら、やること、やらないことを決めてきました。

これはすごく大事なことで、選択することで結果的にできることを増やし、充実した生活を送ることにつながっています。

自分が今選んだもの。

(スポーツ以外は特に制限がないので省いています)

・やりたいことでできること:陸上競技
・やりたいけどまだできないもの:スノボ
・たまにやりたいしできること:ダイビング

また変わるかも知れませんが、その都度なにをやるか考え、判断していくことでしょう。

これからもやること、やらないことを決めて、限られた時間を有効活用して充実した生活を送っていきたいですね。

それでは、また。

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