先日、日本製の義足で世界最速を目指すXiborg社を紹介させていただきました。
一方、スポーツ用品のMIZUNOも昨年プロトタイプモデルを発表し、競技用義足に参入しています。
MIZUNO パラリンピックは通過点 超高齢化社会を見据える義足技術
MIZUNOは2014年頃から研究を始め、今仙技術研究所と共同で開発を進めてきました。
2020年パラリンピックを通過点ととらえ、最終的に目指すのはその先にある超高齢化社会に役に立つ技術。
競技用義足の技術を2020年東京パラリンピックのレガシーとして、これから迎える超高齢化社会で誰もが元気に過ごせるための技術として広く役立つものへと応用していく、そんな未来を見据えたMIZUNOと今仙技術研究所。
大きな意義があることです。
MIZUNOと今仙技術研究所との共同開発
MIZUNOは言わずもがな、有名スポーツメーカーです。
昔野球をやっていたころはMIZUNOのグローブやスパイクを使っていたことを覚えています。
一方、今仙技術研究所は従来から義足部品の販売をしています。
日常用義足の部品(※)はもちろん、日本でもっとも早く競技用義足の販売を開始しており、2008年北京パラリンピックで山本篤選手が銀メダルを獲得した際に履いていたのが今仙技術研究所の競技用義足です。
※私は今仙のターンテーブル(M0681)を使っています
私が陸上をはじめたころ、一番最初に履いた競技用義足も今仙技術研究所のものでした。
(2010年の写真です。今より細い…)
しかし、現在競技用義足においてはオットーボック(ドイツ)とオズール(アイスランド)の2大海外メーカーがほぼ独占している状態。
Xiborg社と同様、MIZUNOと今仙技術研究所も共同で日本の技術で世界に挑んでいきます。
今仙技術研究所のこれまでに積み重ねてきた義足での実績に、MIZUNOのスポーツメーカーとしての経験が加わり、2016年新作の陸上用義足(板バネ)が完成しました。
この新製品は以前の”J”型から大きく形状が代わり、波打つような形状をしています。
他のメーカーの板バネでこんな形状のものは見たことがなく、独自に開発を進めているようですね。
この新製品を履いて順調に記録を伸ばしている選手もおり、期待していきたいと思います。
競技用義足の技術を2020年東京のレガシーに
インタビューの中で、まずはこの陸上用義足で2020年勝つことが目標となるとしています。
その上で、最終的にはスポーツをする人だけじゃなく、より広く多くの人が少しでもアクティブに活動するためにその技術を活かし、「スポーツメーカーの技術で、超高齢化社会でも世の中みんなが元気になることを狙いたい」と語っています。
それこそ、2020年東京パラリンピックが終わっても日本に残るレガシー。
すばらしいと思います。
MIZUNOと今仙技研工業、そしてXiborg社と2020年東京パラリンピックで日本の技術が世界と戦い、そしてそこで培われた技術が未来の社会で広く役立つものとなる。
最高の技術をもって争われるF1の技術が市販車に応用されて、広く社会で役に立っているように。
そうなることを期待しています。
それでは、また。