義足で生活をするようになっておよそ8年が経ちました。
日常生活で本当に不可能なことはほとんどないと言えるのですが、どうしても困ることやめんどくさいなーと思うことはあります。
義足生活のことはまとめて書いたりしていますが、ちょっと観点を変えて、困ることやめんどくさいこと10選、ランキング形式で紹介させていただきます!
下腿義足や大腿義足の場合は少し違うかもしれませんが、股義足の自分目線で。
下腿義足では、こちらの方が困るシチュエーションを書いておられます。
義足の僕が”本当に困るシチュエーション” トップ10はこれ! – 心はいつも悠々自適
というか、ネタ拝借しました。
下腿義足と股義足の違いもありますが、困るポイントは人それぞれですね。
ちなみにまったく深刻に悩んだりしてないので「こんなことがあるのかー」ぐらいの軽い気持ちで読んでください。
10位 幻肢痛
悩まれている方も多い幻肢痛で何度か取り上げさせていただいていますが、自分は悩んではいません。ズキっときたら「いたっ」と思うぐらい。
困っている、めんどくさいというか「わずらわしい」という感覚が近いような気がします。
寝ている最中も幻肢痛はきていて、私はそれでもお構いなしに寝ているようです…
自分にとってはそれぐらいの感じなので、ギリギリ10位にランクインするぐらいですかね。
9位 服が痛む
こちらでも書かせていただいた、義足パンツ問題。
硬いソケットが直接当たるパンツは痛みが激しくて、今年に入ってもう2枚穴が空きました。
いくつか対応考えましたが、結局パンツは消耗品であることには変わりはないんですよね…
これは困ってます、だいぶ地味に。
まあパンツ破れても、見えるのは下着じゃなくてソケットなんですけどね!
私に会ったときにパンツに穴が空いてたらそっと教えてください。
8位 坂道
普通の坂道ぐらいならそれほど気にしませんが、困るのは急坂。
上りでは、路面が体の前方の地面が位置的に高くなっているため、義足が体の真下あたりでつっかえてしまって前に進みません!
前傾姿勢で必死に上がっていきます。
また、股義足で脚を振るのは完全にただの振り子運動で、ぷらーんと慣性で前に出て行くだけなので、下りでは勢いがつきすぎて、義足が前にすっとんでいくので非常に危険なんです!
7位 階段を上がる、下りる
階段を上がる、下りるのは片足づつなのでめんどくさいです。
股義足の私は義足を振り上げることができないので、必ず義足側が下。
上がる場合は健足を先に上のステップに乗せ、下りる場合は義足を先に下のステップに下ろすことになります。
実は、私が使っている部品は交互に下りることをやろうと思えばできるんですが、かなり難しく精密な動きが要求されますし、街中でやるのは危ないので、無理に交互で下りることはしないようになりました。
街中などではめんどくさいのでエスカレーターやエレベーターをつかっちゃいますね。
困るのは、神社やお寺などの長い石段。
石段は手すりがついていなかったり、石段の表面がきれいに平らじゃなかったりするので、危ないしとってもめんどくさいです!
神社やお寺好きなのでめんどくさくても行っちゃいますが。
日光東照宮の奥宮で207段、フィリピンボホール島のチョコレートヒルズで214段登ったんですが、これはさすがにきつかった…
6位 早足で歩く、小走りをする
普通の人が歩く平均的な速さ(4km/h)ぐらいなら大丈夫ですが、信号が変わりそう、電車に乗り遅れそうなど、急ぎたいとき。
早足で歩いたり小走りでささっと急ぎたいところですが、日常用義足ではそれができないんですよねー。
陸上用の板バネ履けば走れるだけにもどかしい気持ちになりますが、ズボン履けないし、普段から陸上用の板バネを履くわけにもいかないですからね。
街中を板バネで走れたらそれはそれで新しくおもしろい気もしますけど。
急がなくていいように時間に余裕を持って動く、これを心がけるしかないですね。
5位 重いもの、大きいものを持つ
義足で歩くときは、絶妙なバランスが要求されます。
それが、重いものや大きいものを持つと絶妙なところで保っているバランスが崩れてしまうんです。
なのでできるだけものは持ちたくない。
ふだんの持ちものをできるだけ少なく、身軽にしているのはこのためです。
荷物が大きくなったら、キャリーバッグにするとまだましですね。
4位 履きもの
これは長年困っていた問題でした…
ふだん履くスニーカーは早い段階で自分の理想とするものを見つけていました。
一方、普通のビジネスシューズの膝折れしやすさったらないです。
ふだん履きのスニーカーと比べるとパフォーマンスは6割ぐらい(自分比)ですよ。
しかしいろいろ試し続けてようやくビジネスシューズ問題も解決しましたが。
この長い戦いに勝利した喜び、わかっていただけますでしょうか…
ここまでやらないとめっちゃ歩きづらいという事実もとってもめんどくさいんですが。
履きものに関してめんどくさいことはまだあります。
たとえばスリッパ。
健足なら足の裏で踏ん張っているんでしょうが、義足ではそれができません。
いつもどおりに歩くと「すぽーん」と鬼太郎のリモコンゲタのように(古っ)スリッパが飛んでいきます。
なのでめっちゃ小股で膝を使わないようにちょこちょこ歩いてます。
あーめんどくさい!
3位 長時間じっと座る
新幹線や飛行機、映画など「長時間同じ場所にじっと座っていないといけない」シチュエーションは結構つらいです。
自分の目安は3時間。
3時間までは我慢しますが、それ以上になると義足脱ぎます。
飛行機で3時間超えるようなフライトだと、隣の人に「義足脱ぎますね」って言って脱いじゃいます。
義足を置く場所がなければCAさんに預かってもらえばいいんです!
人に脚を持っていってもらう絵ヅラはなかなかシュールですけど。
義足脱いじゃったあとトイレに行きたくなったら、片脚で通路ケンケンして行っちゃいます
飛行機は通路が狭いので、座席につかまりながらでまったく問題ありません。
脱ぐことが許されなかったのなら…困っちゃいますね。
2位 足場が悪いところを歩く
一番辛いのは雪。
雪国の人であれば雪用の靴を持ってたりすると思うんですが、雪のない国に生まれ育った自分は雪に弱いです。
できれば家から出ずにじっとしていたい。
スーツには意地でもビジネスシューズ派ですが、雪の時は諦めます。
スニーカー履いてビジネスシューズを持っていって、会社についてから履き替えます。
また、道がでこぼこになっている路面も歩きづらい。
なぜなら、義足側の長さって、数mm単位での調整なので、路面の微妙な傾斜でも義足が地面にあたってしまったり影響を受けてしまうものなんです。
ちなみに道路って、水はけがよくなるようにちょっと傾いていることご存知でしょうか?
それぐらいのわずかな道路の傾斜も気になるほど、私は義足になって世の中の傾斜という傾斜に敏感になりました。
1位 台風、強風の中を歩く
義足で過ごしていて、一番苦手なものは強風。
向かい風は進まないし、追い風は下り坂と同じように勢いがつきすぎて、義足が前にすっとんでいくし、横風なら煽られてバランスを崩すし、前後左右どこからの風でも影響でかいです。
ほんとこれ困ります。
台風の日なんか、ほんとに外に出たくないレベル。
昔、海沿いの職場で働いてた時は毎日海風に煽られて大変だったなぁ…
風は自然現象でどうしようもないので、どこに気持ちをぶつければいいんでしょうか私は。
次点 和式トイレ
最近数は減ってきましたが、和式トイレは義足、特に大腿義足以上のユーザーにとっては天敵。
義足の膝は曲がったままでは体重支えられないし、大腿義足、股義足では坐骨で体重を支えているため、義足脱がないで大の用を足すのはいろんな意味で非常に危険を伴います!
義足脱いで片足で全体重を支えながら、用を足す。
どれほどの困難かおわかりいただけますでしょうか。
非常にわかりやすく図解してくれました!
義足外した方が私はかがみやすい pic.twitter.com/lotjn0JFXH
— Kaede Maegawa🍒 (@K_S1082) 2017年5月12日
ギリギリでトイレに駆け込んで和式しかなかった時の絶望感ったらないです。
しかし、どうしようもなくなって、はじめて和式トイレで用を足せた時、私は「人間やればできる」と義足ユーザーとして一皮向けた気がしました。
まとめ
困ってる、めんどくさいことということで挙げさせていただきましたが、実際にはこれらのことで悩んでいたりするわけではありません。
こんなことがちょっと困るよね、めんどくさいよね、と義足あるある的な気持ちで受け取っていただけると。
私はほんとにそれぐらいのレベルで感じていますし。
もしこんなことで困ってる、あるいは表でやりとりしづらいことなどあれば、お問い合わせフォームからご連絡いただけると、こっそり個別にご相談に乗ることもできますのでお気軽にご利用ください!
それでは、また。
コメント
私は、両足膝下義足になって12年目ですが、ここに書いてあること全て当てはまりますね。 特にスニーカーの靴底の減りは半端なく、1年ごとに新しい靴を買わなくてはなりません。 また、ちょっとした段差ですぐに転んでます(笑)
いやー、義足生活はめんどくさいことばかり・・・
ですよね!
靴底もわかります。
スニーカーは安いからまだいいけど、革靴はカスタマイズしてるから高いし…
それでも、めんどくささに慣れたら日常生活大丈夫って感じてる義足生活9年目ですw